通町地区を歩いてみる

 通町地区は、成川を代表する繁華街です。百貨店、家電量販店、大型書店などがあり、あらゆるものが揃います。そのため、北山地方全域から買い物客を呼び寄せています。そんな通町地区を、「地図」を見ながらあるいてみましょう。

さて、成川駅から市電を使い、通町地区の最寄りであるさかき橋駅まで来ました。すぐ裏手には、市役所や、道州制の導入にあわせて設置された北山州制準備局の本部、地方裁判所、旧県庁などが立ち並ぶ大規模なな官庁街があります。ですが、今回はそちらには背を向け、アーケードを通って榊(さかき)橋市場に入っていきましょう。

 

榊橋市場

 この市場には、成川県内から魚・野菜など、さまざまな生鮮品が集まっているようです。「成川の台所」と呼ばれ、地元民に親しまれる一方、観光客をターゲットにした土産物屋もいくつかありますね。市場の中にある魚反は、もとは鮮魚店一本でしたが、仕入れた魚を利用して、数年前におしゃれな寿司・魚料理店を市場の端に開くなど、10年ほど前の新幹線開通を機に、観光客の存在感は増してきているようです。

 

楢木町

 魚反のところでアーケードを右に曲がると・・・またアーケードです。多くの居酒屋が入っている郁正館ビルが左手に見えたところで、やっと青空が見えてきました。この先には、カラオケ、映画館、ネットカフェ、そして風俗店が見えます。成川最大の歓楽街のようです。今は用がないので、左へ曲がりましょう。

 

通町

 高羽生命とコアプラザの間を抜けると、やっと大きな通りに出てきました。メインストリートの城見通りです。昔から、この通りは街道筋として多くの人が行き交っていたそうです。向かい側には最近まで映画館だった大劇会館が見えます。郊外にシネコンができたせいで、最近はあまり客が入っていませんでしたからね・・・そこを左に曲がると、正面に成川城の天守閣がそびえ立っているのが見えます!戦後再建したものらしいのですが、まちのシンボルですね。歩いていたら、左手にフロントという商業施設が見えてきました。テナントとして2〜6階にイシダカメラが入っています。かつて吉田屋という地場百貨店だった建物ですが、規模で通町地区にある他の2つの百貨店に大きく劣り、近年の競争激化で閉店に追い込まれました。

 

通町交差点

 先を見るとスクランブル交差点の通町交差点の周りにその2つの百貨店、伊旗屋・丸江と、Grandrueが見えてきました。Grandrueは、丸江の別館として使われていた土地に、バスターミナルの整備とともに作られた、泉屋による専門店ビルです。丸江は、全国展開し、格式ある老舗百貨店として知られていますが、提携先である泉屋は、ファッションに強いと言われているだけあって、Grandrueも若い女性でにぎわっていますね。しかし、丸江には、海外の高級ブランドはあまり充実していません。一方で伊旗屋は、その広い売場と地域密着のブランド力を武器に、圧倒的な地域一番店として、海外の名だたる高級ブランドを集め、多くの人でにぎわっています。通町交差点を渡ると左手に見えてきた文栄堂書店は、全国展開しているらしく、北山地方最大だということです。専門書の品揃えがとても充実しています。

 

大手前

 ふたたび城見通りを城へと進みます。丸江の脇から中央銀行である柏銀行の建物へ向かうこの通りは、旧街道筋です。ここで城見通りから分岐するというわけです。現在の大通りとは違うルートなわけですが、地図でみると、筋町・仲町・相賀町の中央を通る街道筋らしき通りが見えてきませんか?さらに進むと、正面右側に成川大神宮が、左側に立派な旧県庁が、右側にいくつか学校が見えてきましたね。この辺りは元々、広大な武家屋敷があった地域です。県庁が郊外へ移転した現在、旧県庁は県民へのサービス機能を一部残し、カフェ、会議室、ギャラリーなどを兼ね備えた複合施設となっています。

 

成川城

成川大神宮の前を通り、成川城公園に入ってみましょう。本丸と二の丸との間には、先ほど乗ってきた市電の走るグリーン大通りが貫いています。さて、資料館になっている天守閣の上まで登ってみましょう。北側には見津川の向かい側に三大名園に数えられる玄武園が見えますね。また、南側には成川城を囲う様にしてビルが立ち並んでいるのがわかります。これは、旧街道筋が城を迂回するような形で通っており、今でも都心地域を形成しているからだそうです。

 

 城から降りて、市電の駅である県庁前駅に到着しました。今日は、ここからまた市電で成川駅に戻り、帰宅することにしましょう。